任意整理は、債務整理の中でもかなり特殊な手続きです。実際に、任意整理を行うことの実質的なデメリットは存在しないからです。これは、任意整理が裁判所を通した手続きではないことと、債務に関連する問題が実は債務者側に存在しないことと関係しています。本来ならば、借金を抱えた債務者にはそれを返済する義務が存在するので、それを行うことができなくなっている時点で責任はあります。
しかし、任意整理を使わなくてはいけない状況下では債務者自身に非は存在しないので、実はデメリットも生まれないという特徴があります。こうした背景があるのは、任意整理が過払い金請求に利用されるものだからです。過払い金というのは、少額融資に伴う利息のトラブルで利用できる手続きです。普通は、利息は法律で決められた範囲内で請求されることになるのですが、過払い金の場合はこの利息に関連する法律的な武備によって生じたトラブルです。
そのため、債務者に問題があったわけではないので利息の返還を請求する場合にそのデメリットを債務者に押し付けるのは良くないと考えられています。わかりやすいのが、信用情報への記載です。過払い金の返還請求の場合は、信用情報へその記載がされません。普通は、債務整理を利用するとその情報が記載されてローンなどができなくなります。
一方で、過払いの場合はこのデメリットが存在しないので、文字通り実質的な不利が債務者には存在しない便利な手段として認識されています。